キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
副団長と無味キッス
「ブッハ!お前子どもの作り方知ってる?!」
「知ってますけど、レオさんって飛び越えて色気だけで子ども作れそうです」
「そんなことできてたまるか。俺の楽しみ取るなよな。ちゃんと抱かせろ」
ケラケラ笑ったレオナルドは額コッツンの至近距離を詰めて、ちゅっとサーシャの唇にバードキスした。慣れ切ったはずの軽いキスには違和感があった。
さっと唇が離れたレオナルドを、サーシャはきょとんと見上げる。
「今のキス、違いわかった?」
「味が、しませんでした」
「正解。これはお食事キッスじゃない。これは魔力なしの純粋な愛してるキッスな」
レオナルドの大きな片手がサーシャの後頭部を掴んで引き寄せ、口を割って肉厚な舌を入れこんでくる。
「ッン!」
サーシャは味がしない大人キスは初めてだ。
甘くて甘くて痺れたお食事キッスと違って、愛してるキッスは温かみと生々しく艶めかしくくっつく感触が強烈に感じられた。ちゅぱっと水音を立てて離れるレオナルドとサーシャの間に細い糸が引いて、ものすごく厭らしい。
「無味なキスはどう?」
「なんか……このキスはただ、その、えっちです」