キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
冷や汗が滲むサーシャは竜巻を使う事態が起こらないことを切に願った。
「食え」
サーシャは団長に命令されてレシピを一口サイズにしてもぐもぐ食べていく。紙をもぐもぐするサーシャの隣に座り直したルテが、サーシャの頭を撫でた。
「サーシャは任務の要よ。食糧供給が立たれたら全滅は必至」
「だから、俺がサーシャに下す命令は『絶対に死ぬな』だ」
ルテや団長の口から出てくる、死の匂いのする言葉にサーシャの背筋は冷たくなった。特別任務は本当に危険な遠征なのだ。喉が詰まりそうな気持ちになったサーシャはレシピを無理やり飲みこんだ。
サーシャの眉がハの字に下がった時、サーシャの隣にどんと熱の塊が座った。大きな熱い腕がサーシャの肩を遠慮なく抱き寄せる。
「そんな顔すんな。俺が守るから」