キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
レオナルドの聞き慣れない細い声が狭い洞窟内に響いて、団員たち全員の耳の奥まで届いた。
レオナルドは一人飛び抜けて強い。一般団員が束になって苦戦する巨大蜘蛛をもものともしない。そんな化け物のレオナルドは、驚異的に強くもない騎士団と共にある必要もなかった。
足手まといは置いて、最初からレオナルド一人で討伐に赴くのが本当は一番被害もなく、効率的だった。レオナルドはそれを理解していた。
「でも俺、一人で行くの……嫌だったから。みんなには悪いけど、俺のわがままにここまでついて来てくれて嬉しかった」