キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
サーシャがレオナルドの固い腹に抱きついた。レオナルドが腹の奥にそんな懺悔を抱えていたなんて、みんなといるのに引け目を感じていたとは誰も知らなかった。
化け物のように強い者の孤独になんて、誰も想像が及ばなかった。
「レオさんて意外と甘えるの下手ですね?!みんなレオさんのこと大好きですよ!」
ぎゅうぎゅうお腹を抱き締めてくるサーシャの背にレオナルドが腕を回す。すると、団長が丸くなった右腕でレオナルドの肩を抱いた。レオナルドに幾多の温かい視線が集まる。
「レオ、俺らはお前の帰りをここで待ってる」
入口には巨大蜘蛛が押し寄せ、奥は行き止まりの狭い洞窟。どこにも逃げ出せない騎士団は副団長の帰りを信じて、この場所で待つ決断を下した。
「お前が帰るまで持ちこたえると約束する。それが俺らがお前のためにできる唯一のことだからな」