キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!

サーシャがレオナルドの固い腹に抱きついた。レオナルドが腹の奥にそんな懺悔を抱えていたなんて、みんなといるのに引け目を感じていたとは誰も知らなかった。


化け物のように強い者の孤独になんて、誰も想像が及ばなかった。


「レオさんて意外と甘えるの下手ですね?!みんなレオさんのこと大好きですよ!」


ぎゅうぎゅうお腹を抱き締めてくるサーシャの背にレオナルドが腕を回す。すると、団長が丸くなった右腕でレオナルドの肩を抱いた。レオナルドに幾多の温かい視線が集まる。


「レオ、俺らはお前の帰りをここで待ってる」


入口には巨大蜘蛛が押し寄せ、奥は行き止まりの狭い洞窟。どこにも逃げ出せない騎士団は副団長の帰りを信じて、この場所で待つ決断を下した。


「お前が帰るまで持ちこたえると約束する。それが俺らがお前のためにできる唯一のことだからな」

< 271 / 378 >

この作品をシェア

pagetop