キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
レオナルドの胸に熱い火が灯った。沸々と負けられない闘志がわいてきた。
「毒気を撒いてる洞窟の奥の元凶をぶっ殺してくる。だから俺が帰るまで、みんな待ってろ」
レオナルドが帰らなければ、騎士団はここで死ぬしかない。もし負けたら一緒に死んでという残酷なお願いだ。だが、レオナルドの照れた声色に、団員たちがそわそわと笑顔を零した。
「「「了解です!!」」」
「良い返事だ!それでこそ俺の鍛えた自慢の騎士団だ!」
団員たちのきっぱりした返事に、団長がガハガハ豪快に笑う。団長が笑えば笑うほど、ルテの瞳には涙の膜が張っていることにきっと団長は気がついているはずだ。ルテの肩に回した腕に力が入っている。
「ハッ!持久戦ならご飯が必要ですね!」
サーシャはハッと気がついて、いきなり祈りの姿勢をとった。洞窟の中にドンドンドンと大量に保存のきくソーセージやベーコン、パンなどをごっそり出現させた。
盾魔法がない場所でも腐食しないように密閉した箱に入れてある。盾魔法が消失した時用の、お食事訓練はしっかり経験済みだ。
「皆さん、これで食いつないでください!」
どさどさ食料を大量に出し続けたサーシャは振り返り、レオナルド見上げた。
「私はレオさんと一緒に行きます」