キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
世界に二人きりキッス
騎士団と別れて2日。
散見されるぷちぷち穀物畑の上で、サーシャとレオナルドはくちばしマスクを外して夜営中だ。穀物畑にはなぜか、毒気がない。
「目指してた場所に、洞窟がないんだけど……どうするこれ」
当初目指した場所に目的の洞窟はなく、二人は彷徨っていた。
「もう少し探してみましょう。きっと見つかります」
レオナルドの隣にぴったりくっついてサーシャが努めて朗らかに笑う。星が光るだけの暗い夜の中で暗い顔をしていられなかった。
だが、身体は巨大蜘蛛の登場に緊張して怯えているので、ついついレオナルドにひっついてしまう。
サーシャががんばって笑っていくれていることが可愛かった。
「サーシャおいで」