キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
「俺は惨いこともできる」
「できるから、させたくないんですよ。レオさんの良心を犠牲にするくらいなら、みんな仲良く滅びを選びます」
大地に寝転がったサーシャは、隣に寝転ぶレオナルドの両頬を両手で挟んだ。レオナルドの青い瞳が星空の灯りに煌いた。
「誰かの一人の犠牲の上に、幸せなんてありません。それが、レオさんにここまでついて来てくれた騎士団の皆さんの総意です」
触り心地のよい両頬の感触を味わったサーシャは、薄紅色に優しく笑う。
「愛する人と一緒に潔く死ぬ。それもきっと、幸せです」