キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
「……ちが」
「カルラスープを食べられなくなって恨んでるとも言いましたよね。それって人間のつくったものが好きってことで。もしかしてカルラン様って」
サーシャが責めるつもりも攻撃するつもりもなく、素朴に首をきょとんと傾げた。
「人間が大好きなのでは?」
ドッキーンとカルランの胸が再び大いに鳴った。だが、カルランはくちばしをそっぽ向けたままである。
「べ、別に好きじゃない。人間は手先が器用で次々と美味しいものをつくる。ご馳走のお供えがあるカルラ祭りも毎年楽しみにしておったのに……近頃は我を敬いもせん。
我を忘れてしもうた人間など……もう好きではない」
「人間のこと、すごい好きじゃないですか」
サーシャが大きなくちばしの中でぼそぼそ話すカルランに笑ってしまった。ぶつぶつ言っているカルランの主張は簡単に言うと結局最近相手してくれてないじゃん、もう知らないプン!である。
「カルラ様、お願いします。人間を助けるために力を貸してください。何でもします」