キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
騎士団が王城に戻り、王城内の食堂で団長がサーシャに指示をした。
「サーシャ、疲れているところ悪いが、まずは食事だ!レオもいるから補給の問題はない。バーンと500人分カルラスープ出してくれ!」
保存食を口にしていた国民たちも温かいスープに癒されたいはずだ。腹が減っては何もできない。
「わかりました団長!いきます!」
サーシャが態勢を整えて、いつものように祈る。サーシャの魔法を見慣れている団員たちが見守っていたが、なぜか魔法が発動しなかった。
「あれ?も、もう一回やってみます」
サーシャは何度も何度も祈ってみたが、魔法が発動することがなかった。
「え?」
「大丈夫ですか、サーシャさん」
「長期の任務で疲れが出てるのかもしれません」
ご飯魔法が発動しないなんて、こんなこと今まで一度もなかった。サーシャの異変を見守っていた団員たちが優しく声をかけてくれるが、サーシャは薄紅色の瞳を白黒させた。
「サーシャ、明日にしよう」
「そうするか、お前ら解散しろ」