キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!

レオナルドの形良い片眉が高く上がって、哀し気な不安を示していた。抱き上げたサーシャの額に額をコッツンぶつけた。真っ青な顔を上げたサーシャに、レオナルドは優しくバードキスをする。甘くて、優しい、慰めの味がした。


「サーシャ、お前は何も悪くない」

「……レオさん、でもこれじゃみんなお腹が空いて」

「全部、俺が決めて、俺が選んだことだ。俺が責任を取る」


サーシャはレオナルドの優し気なのに、哀しさがあふれる声に胸打たれた。サーシャが悲しんでいる場合ではないと、レオナルドの首に抱きつく。


「お前は俺の腕にいてくれればいい」

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