キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
あまりの神業魔法に、驚くルテの横で団長がサーシャの肩を叩いた。
「サーシャ、その力をぜひ、我らがカルラ騎士団に貸してくれ!」
団長が協力を要請しようと差し出した握手の手に、サーシャは戸惑って瞬きを増やした。胸の前で両手をぎゅっと組み合わせる。
「今さらこんなこと言うのは何ですが、気持ち悪くないですか?」
「何が?」
団長が首を傾げ、隣でレオナルドも同じように首を傾げた。
もう居場所がないサーシャは、求めてくれるなら団長の差し出した手を取りたかった。だが、触って怖がられるのも嫌だ。
「何にもないところからスープが出てくるなんてその……異端ですよね?」
「あー能力が使えると、隣の国では異端者とか呼ばれて、迫害の対象になるんだったな」