キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
副団長と解釈違い
翌日、レオナルドは国民招集を行った。
王城で肩を寄せ合う国民全員を集めたホールには、緊張が満ちていた。人がひしめくホールの中でサーシャは騎士団が集合している周辺で、ルテの隣に膝を抱えて小さく座った。
団長がこの場を仕切るために、ホールの前方、檀上の上に立っている。サーシャの右隣には、見知らぬ男性が帽子を深くかぶり、同じように膝を抱えて座った。
「あ、すみません」
狭くて肩がぶつかったことをサーシャが詫びると、彼は頷いた。
「気にせずとも良い」
彼の黒目だけの特徴的な目を、サーシャはどこかで見たことがあった。サーシャが彼について考えていると、ホールにくちばしフルフェイスマスクの王様、レオナルドが登場した。
「王様!」
「王様もお帰りになったのね……」
「よかった」
王様の姿を見て、国民が口々に安堵を発した。