キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
酒樽を運んできた騎士団員たちに団長は大喜びで、酒樽に頬ずりしていた。
「我ももらおう」
「よっし、飲むぞ!カルラン様かんぱーい!」
「良い祭りじゃ」
サーシャが以前ホールで見かけた帽子を深くかぶった黒目の彼も、一緒に酒で盛り上がり始める。飲み続ける団長の後ろでルテが柔らかく笑った。最近のルテはますます色っぽさに磨きがかかっている。
「ルテさんも飲んで!」
「ありがとう、サーシャ」
「もういっぱい飲んじゃいましょう!」
「そうね、楽しみを残さないようにしなくちゃ」
優しいルテの手に撫でられたサーシャは頬を最大限緩ませた。サーシャがルテと楽しく話し込んでいると、ホールの上空に王様姿のレオナルドが現れた。
胴体がばっちり貴族的正装で祭りへの気合が伺える。風に乗せて音量を上げた声は皆の耳に届いた。
「注目」