キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
サーシャが喜びに溺れていると、カンカンカンと警鐘が鳴った。大蜘蛛が敷地内に現れた時の音だ。団長が素早く指示を出す。
「レオ、浮かれてるところ悪いな。行け!」
団長とレオナルドにくちばしマスクを手渡す。王様レオナルドだが、副団長としての任も継続中だ。団長の指示に従ったレオナルドは、ドレス姿のサーシャにもくちばしマスクを装着させた。
ドレスにくちばしマスクの妻を抱き上げて前線へ足を向ける。
「ウース。行くぞ、サーシャ」
「はい!」
前線であってもレオナルドと一緒の場所が、サーシャの居場所で、そこが一番安全な場所だ。誰もサーシャを止めるものはおらず、大事な妻を姫抱っこしたレオナルドは風に舞った。