キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
死を覚悟した。国と共に滅びる覚悟だ。
愛するサーシャをカルランに渡さなかったことに未練はない。だが、たくさんの国民を引き連れて死を選んだことにレオナルドは罪悪感も背負っていた。
それでも罪を背負って終わりを迎える覚悟を決めていた。気丈に振舞ってきた。
それが突然、許された。
生きてもいいと許された。
大地に両手をついて四つん這いになったレオナルドの喜びがサーシャにも流れ込んだ。大地に向かってぽたぽたと美しい涙を零すレオナルドの背を撫でて撫でて、サーシャも涙を流した。
「カルラン様にも愛されちゃいましたね……さすが、愛されるために生まれてきたレオさんです」
サーシャが涙を零してレオナルドに笑いかける。
「サーシャ、俺はまだ生き続けて、お前を愛せるみたいだ」