キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
叱責にサーシャは身を固くしたが、レオナルドは青く煌く瞳で真摯にカルランを見つめた。
「良い目じゃ、カルラの王よ」
カルランは人間の王を試し、その本性を見定めたかった。
愛する人を供物にして、愛を捨てるような人間は、きっとまた約束を違える。
だが、レオナルドはサーシャを決して手放さなかった。
己の利益のためだけに力を奮って他国を蹂躙するような人間は、信用できない。
だけどレオナルドはその大きな力を隣人に奮ったりしなかった。
窮地で話し合いを捨て、憎み合うような人間は、また過ちを犯す。
しかし、カルラ国民たちは王を中心に、隣人を大切にし続けた。
死を前にしても【隣人を大切に】という教えをカルラ国は実践し続けた。その姿こそ、カルラン様への信仰の証だった。
「隣人を尊び続けたお主、カルラ国王となら、約束ができる」