キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
「場所は?」
「ぷちぷち穀物畑よ!」
ルテの慌てた様子に危機感を読み取ったレオナルドが、風を吹かせて一瞬で姿を消した。
食堂に残された団長が、片手で軽々と赤ちゃんを抱いて、ルテに歩み寄る。ルテは両手を広げ、夫と我が子を包み込んで抱き締めた。目に浮かぶ涙を団長の胸にこすりつける。
「どうした、ルテ?何があった?」
「今日、この日をみんながずっと待ってたのよ」
「……まさか、ジオが?」
「そのまさかよ!」
「さっすが、レオとサーシャの子だな!ガッハハハハ!今日は飲むぞー!!」
片手に我が子を抱いて、丸い手首の腕でルテを抱き、団長は万感の悦びを抱き締めた。