キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
「へ?」
まだ初めての味に感激の涙がぽろぽろしているところに、突如と告白が降って来てサーシャは固まった。うまく処理できない。だが素直な疑問がぺろっと口をついた。
「どうして私ですか?」
「どうしてって何だよ。惚れるのに理由とかいる?」
「いや、きっかけとかあるかなって思いますけど」
「お前、食べたいとか寝たいとかに理由ある?しかも好きな理由とか言う奴、胡散臭いだろ。なんでかわからないけど、ただ好き、だろこんなの」
それはそうかも、とすぐに丸め込まれたサーシャはきょとんと潤んだ薄紅色の瞳で美しいレオナルドを見上げた。レオナルドは照れもせず飄々と意思表明だ。
(本気で言ってるのかな?)