キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
キスした後に、レオナルドがどんなに色気ある表情で笑っていても、優しくサーシャとのキスいろんな味がして好きと語っても、惚れたとか、可愛いとか挨拶のように口にしても大丈夫。
(同じ相手に3回胸が鳴いたら恋。なんてもう1000回前に過ぎたから!)
歩く色気のレオナルドがわざとなのか無自覚なのかわからない口説きを繰り返すたびにサーシャの胸はやかましく鳴いていた。だが、サーシャは絶対、勘違いしなかった。
(何回胸が鳴こうが、これは特別な恋じゃなく、人間として通常。非常に通常なただの反応だと思う)
これはただのお食事であり、レオナルドの甘い言葉には騙されないよう気丈にしていた。胸が何回鳴こうが、サーシャは恋など認めない。
(だって私は村の凡夫にフラれた女だよ?!)
この台詞を呪文のように唱え続け、ただレオナルドのくれる美味しい味に集中した。レオナルドは決して、美しく魅力的でキスの上手な男ではない。
(レオさんは、ただのご飯!)