キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
サーシャが呆気に取られて心底驚いた顔をするので、思わず二人で顔を見合わせて笑ってしまった。
「それにしても、レオさんはこっちを見てもいないのに、狂暴な風魔法で常に私たちを守ってるなんてのも驚きです。魔法を使っている仕草すらないじゃないですか。魔法ってすごいですね」
うんうんと深く頷いて、魔法の存在に感心するサーシャにルテがピシャリと言った。
「でも、サーシャの方がすごいわよ?」
「何がですか?」
サーシャがこてんと首を傾げると、ルテは素直な仕草さにまた笑ってしまった。己の能力について理解していないようなので、ルテが頭を撫でてやった。
「私の癒し魔法、団長の盾魔法、レオの風魔法。どの魔法も歴史ある古い魔法よ」
「そうなんですか、魔法っていっぱい種類があるんですね。私みたいなご飯魔法使う人もいるってことですね?」
さっぱり魔法について知識がないサーシャは、目を爛々輝かせてルテの話を興味津々で聞いた。だが、ルテは細くて白い首を横に振った。
「私が知る限り、サーシャのご飯魔法は異端中の異端よ。見たことも聞いたこともないわ」
「え”、また異端ですか?!」