キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!


魔法のない国で異端扱いされて死刑に処された。やっとカルラ国で魔法を使う仲間になれると思っていたサーシャは口をあんぐり開けた。


「また追放死刑にされちゃいます?!」


ショックを受けたことが全て顔ににじみ出ているサーシャの焦りように、ルテは笑みを誘われる。自然な感情爆発をそのまま言葉に乗せるので、ついつい可愛くて笑ってしまうのだ。ルテは白くて華奢な手でサーシャの頬を優しく撫でた。


「隣の国で酷い目にあったのよね。サーシャはカルラ国でも異端は異端だけど、追放死刑にしたりしないわ」

「本当ですか?」

「何よりレオがサーシャを気に入っているから大丈夫、この国でサーシャは絶対に安全よ」

「レオさんに気に入ってもらったら何が大丈夫なんですか?」


ルテはサーシャの喉を撫でてゴロゴロ言わせながら、スッと黒い瞳で前方のレオナルドを見た。


「まあ、そのうちわかるわ」

「ルテ様がそう言うなら了解です、ごろごろ」


猫の真似をしたサーシャに、ルテはクスクス笑ってしまった。ルテの笑い声に呼ばれたように、団長はつい後ろを振り返ってしまう。


「ルテ、楽しそうだな」

「サーシャが可愛いからだろ」

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