キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!


ふんふん機嫌良さそうに鼻歌を歌うレオナルドの浮かれっぷりには団長も気がついていた。引く手あまた過ぎる女に頓着せず、雑に扱い、抱き捨てるのがレオナルドだったはずだ。


だが、サーシャには毎食後きっちりお食事キッスするためにうろうろ探し回っている姿が散見されている。


(こいつが、一人の女にねぇ)


団長は長い付き合いで、こんなに一人の女に執着するレオナルドを見るのは初めてだった。


出会ったばかりの騎士団のためにご飯を提供してくれるサーシャに悪い印象はない。


(魔法はすごいが、女として並外れて魅力的とは思わなかったがな)


特別な美人というわけでもない。愛嬌のある平凡な村娘というのが、第三者である団長の冷静な目だ。


だが、美の化身のごときレオナルドが格別に、凡人サーシャをお気に入りなのは周知の事実だった。


「レオ、王都でサーシャの扱いはどうする気だ?」

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