キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
盾魔法の一歩外には死の森だ。この王都はもう死の森になる一歩手前なのだ。
(カルラ国って、外の国からするともう「滅びた国」なんて言われてる)
カルラ国が毒気に侵され始めた時、隣国諸国はこぞってカルラ国を見捨てた歴史がある。毒気の原因がわからず、何がきっかけで自国にも毒気が飛び火するかわからなかった。どの国も自国が毒気に侵されるのを恐れて、わが身可愛さに見て見ぬふりに徹したのだ。
見捨てられたカルラ国。
毒気に満ちた死の森に囲まれたカルラ国の内情がどうなっているのか、今では外に全く情報が出てこない。
「レオさんの魔法で毒気の除去はできないんですか?すごいですよね?」
「さすがのレオでも、それはできないわ」
「そうですか。生まれてきて欲しいですね。盾魔法が使える子」
「国のみんなが切望してるわ」
外界と隔離され、外界から見放され、
まさに今、静かに滅びゆく毒の国、それがカルラ国だ。
「レオ様ー!!」
「レオ様、お帰りなさーい!」