キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
(え、私の胸ってそんな鳴き方するの?信じられない……私、まさか、レオさんは私のとか思ってるの?こっわ、私、自分が怖い)
サーシャは胸に手を当てて、新単語を導入した時よりも衝撃を受けた。レオナルドが他の女に愛想振りまくことに、胸ムカついて鳴いてしまったのだ。
(胸のモヤを感じる。これってつまり、嫉妬鳴き?!)
レオナルドに落ちない靡かない勘違いしないと誓いながら、胸は正直に嫉妬までお知らせしてきた。いくら頭で拒否していても、胸はキュンともイラッとも鳴く恋仕様である。
レオナルドの誰でもおいでよ恋沼トラップを全く回避できていない。サーシャ、絶望のお知らせである。
しかし、そんな報われない沼にハマるわけにいかないサーシャはなかったことにして、親衛隊からフイッと顔を背けた。