キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
ルテも第三者目線としてレオナルドの輝きっぷりは理解できる。サーシャは知らないが、実は身分も極上だ。
「ですよね。でも大丈夫です。私は身の程をわかってますから。レオさんは輝き過ぎる雲の上男子でして、これ以上男で痛い目みたくないので絆されません。
私にとって、レオさんはご飯です」
「ふふっ、それくらいでちょうどいいわ。レオはご飯よ」
ルテが王城の壁の文様を手でなぞりながら、良い子だとサーシャを振り向いて微笑む。親衛隊なんてものが自然と出来上がって、自分から何一つアピールしなくても夜の相手に事欠かない男がレオナルドだ。
サーシャみたいな田舎村娘など秒で食べられてポイ捨て必須である。
「親衛隊隊長のセレナはね、レオとの付き合いが独特なのよ。サーシャも見習うといいかもしれないわ。もし、紹介して欲しくなったら言ってね」
「え、それって私も親衛隊に入れってことですか?!」
「ふふっ、それも面白そうね」
「予定表には載りたくありませんよ!」
ルテがクスクス笑って、サーシャを優しく撫でた。お姉さんなルテの側でサーシャはすっかり居場所をもらった気がした。
外界では異端者と呼ばれるサーシャの居場所は、もうこの滅びゆくカルラ国にしかないのだ。