キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!

イケオジ団長と盾魔法


サーシャが寄宿舎で過ごすようになって10日が過ぎた。


だが、その間にレオナルドを見かけたのは親衛隊に囲まれていたあの一回きりだった。寄宿舎にいる間はサーシャはご飯魔法を振るう機会がなかったので、お食事キッスは必要なかった。


サーシャが魔法を使うときは、王様の判断となったと団長から報告があった。


「レオさんはどこに行ったんですか?」


騎士団団員たちがざわざわと食事をしている食堂で、ルテの隣に座ったサーシャは目の前でぐびぐび酒を飲む眼帯団長に問うた。食事のざわめきの中、サーシャは騎士団の食事に一切手をつけなかった。


「レオは寄宿舎に住んでねぇんだよ」

「副団長なのに?」

「そのうちまた来るから心配しなくていいわ」


サーシャが首を傾げると、ルテがふっと口元のえっちなホクロを歪ませる。意外とルテもお酒が好きで、団長とルテは王都に帰ってから酒ばかり飲んでいた。死の森遠征が無事に終わって、今の騎士団は休暇中だ。


「それにしてもカルラ国の王都、すごい狭いですね」

「お前は正直過ぎな!」

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