キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!

せっかく素顔ですごせるように団長が盾魔法をがんばっていると聞いたのに、努力を全部吹き飛ばして、王様は頑丈なくちばしフルフェイスマスクを常時つけているらしい。


めちゃくちゃ臆病なのか、慎重なのか。とにかく全面くちばしマスクの虚無的威圧感ったらない。無表情もここまでいくと不気味だ。


「サーシャ、よく来たな。今回は騎士団が世話になった。お礼に食事を」


くちばしマスクの向こうから聞こえたくぐもった声には妙な親近感があったが、それでも無の顔が不気味で親近感など吹き飛んだ。


「あ、ありがとうございます。国王陛下……」

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