心優しい国王は王妃を堂々と愛したい
離ればなれの国王夫妻
侍女に連れられて、
フレイアは長い長い廊下をただ黙って歩いていた。
もう何回角を曲がっただろうか。
侍女が何も説明してくれないので、
自分は一体どこにいるのか、
どこに向かっているのか、
さっぱり見当がつかない。
古びた渡り廊下を渡って、
随分と手入れされていないであろう棟の前にたどり着いた。
「こちらが本日より王妃様の住まいとなるギムレー宮でございます。この棟の中では自由に過ごしていただいて構いません。お食事などは係りの者が決まった時間にお持ちしますのでご安心ください。それでは。」
「あ、あのっ。」
そそくさと立ち去ろうとする侍女を思わず呼び止める。
「予定では本日の夜は賓客を招いた晩餐会があると陛下より伺っております。その支度やお迎えなどは・・・」
「あぁ、それについてですが・・・陛下より、王妃様の出席は取りやめるとのことです。王妃様の精神状態を考慮されてのことですわ。ゆっくり休んでほしいとの伝言です。」
「そうですか。」
フレイアは腑に落ちなかったが、陛下からそう言われては仕方がない。
重たい足を引きずりながら、フレイアはギムレー宮の中へ入って行った。
フレイアは長い長い廊下をただ黙って歩いていた。
もう何回角を曲がっただろうか。
侍女が何も説明してくれないので、
自分は一体どこにいるのか、
どこに向かっているのか、
さっぱり見当がつかない。
古びた渡り廊下を渡って、
随分と手入れされていないであろう棟の前にたどり着いた。
「こちらが本日より王妃様の住まいとなるギムレー宮でございます。この棟の中では自由に過ごしていただいて構いません。お食事などは係りの者が決まった時間にお持ちしますのでご安心ください。それでは。」
「あ、あのっ。」
そそくさと立ち去ろうとする侍女を思わず呼び止める。
「予定では本日の夜は賓客を招いた晩餐会があると陛下より伺っております。その支度やお迎えなどは・・・」
「あぁ、それについてですが・・・陛下より、王妃様の出席は取りやめるとのことです。王妃様の精神状態を考慮されてのことですわ。ゆっくり休んでほしいとの伝言です。」
「そうですか。」
フレイアは腑に落ちなかったが、陛下からそう言われては仕方がない。
重たい足を引きずりながら、フレイアはギムレー宮の中へ入って行った。