心優しい国王は王妃を堂々と愛したい
おまけに長い冬が明けて暖かい春になると、
近隣諸国への外交で国自体を長期で不在にすることも増え、
気づけばオーディンとフレイアが顔を合わさなくなって、
半年以上もの月日が流れていた。

その間、フレイアが何をしていたか。。。
ギムレー宮は隠居した元国王や未亡人となった王太后の住まいとして
かつて使われていたので、
古びてはいるものの小さな図書館や温室、
ちょっとしたハイキングが出来る広大な森を有していた。

一人でいることに慣れきっていたフレイアは
図書館で本を読んだり、
温室でハーブを栽培してハーブティーを楽しんだり、
森を散策したりと
気ままな毎日を過ごしていた。

誰とも関わらなくていい毎日は快適だったが、
オーディンから何一つ音沙汰がないことは悲しかった。
一度手紙を侍女に渡してくれるように頼んだのだが、
オーディンからの返事が届くことはなかった。
< 28 / 121 >

この作品をシェア

pagetop