心優しい国王は王妃を堂々と愛したい
その庭師は王太后のお気に入りで
王太后の温室の管理も任されていたが、
王太后の薨去の際に自身も高齢を理由に引退してしまった。
王太后の次にギムレー宮に住まう人間がいなかったので、
この抜け道の存在を知るものは
いまやオーディンだけだろう。
(正面から行くと兵士に止められるからな。フレイアには悪いが、こちらから行かせてもらおう。)
塀の上のフェンスをそっと開けて、乗り越える。
森の小道を右に歩けば、
こじんまりとしたギムレー宮が姿を現した。
ギムレー宮を目の前にして、ふとオーディンは考える。
結婚式以来一度も会っていないにも関わらず、
どんな顔をして会いに行けばいいのだろう。
「少し時間があったから会いに来た。」などという理由で訪問できるほどの
親しい関係になれているわけではない。
いきなり現れたらフレイアの迷惑になるだけではないか。
どうしよう・・・
オーディンがそんなことを考えあぐねていると、
ふいにギムレー宮の玄関がギィっと音を立てて開く。
その音を聞いてオーディンは思わず身を隠す。
建物の外に姿を現したのはフレイア本人だった。
(可愛い・・・)
素直にオーディンはそう思った。
王太后の温室の管理も任されていたが、
王太后の薨去の際に自身も高齢を理由に引退してしまった。
王太后の次にギムレー宮に住まう人間がいなかったので、
この抜け道の存在を知るものは
いまやオーディンだけだろう。
(正面から行くと兵士に止められるからな。フレイアには悪いが、こちらから行かせてもらおう。)
塀の上のフェンスをそっと開けて、乗り越える。
森の小道を右に歩けば、
こじんまりとしたギムレー宮が姿を現した。
ギムレー宮を目の前にして、ふとオーディンは考える。
結婚式以来一度も会っていないにも関わらず、
どんな顔をして会いに行けばいいのだろう。
「少し時間があったから会いに来た。」などという理由で訪問できるほどの
親しい関係になれているわけではない。
いきなり現れたらフレイアの迷惑になるだけではないか。
どうしよう・・・
オーディンがそんなことを考えあぐねていると、
ふいにギムレー宮の玄関がギィっと音を立てて開く。
その音を聞いてオーディンは思わず身を隠す。
建物の外に姿を現したのはフレイア本人だった。
(可愛い・・・)
素直にオーディンはそう思った。