心優しい国王は王妃を堂々と愛したい
「いたたた・・・」
日頃から鍛えていたおかげで身体の方は問題なかったが、
変な着地をしたせいで左足を捻ってしまったようだ。
「こんな情けないところを誰にも見られないで良かった。」
オーディンは捻った足を引きずりながら、
ギムレー宮を目指す。
その間雨はどんどん強くなって、
オーディンがギムレー宮に着くころには
ずぶ濡れになってしまった。

コンッ、コンッ
オーディンがノックすると、
しばらくしてカチャっと扉が開く。
「こんな夜中に一体どなたでしょうか・・・まぁ、国王陛下!どうしてこちらに?」
ずぶ濡れになったオーディンを見て、
フレイアは目を丸くしている。

「王妃に会いに来ようと思ったのだが、いろいろあって・・・その、迷惑だっただろうか?」
「迷惑だなんてとんでもございません。そんなに濡れていてはお風邪をひいてしまいます。どうぞ中へ。」
フレイアはオーディンを優しく迎え入れた。
フレイアはオーディンをリビングルームへ通すと、
綺麗に洗濯されたバスタオルを差し出す。
「お身体が冷えたままではお辛いでしょうから、お風呂をどうぞ。お湯がはるまで少しお待ち下さいね。」
「あぁ、すまない。」
そう言うとフレイアは奥へと姿を消し、しばらくすると戻ってきた。
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