心優しい国王は王妃を堂々と愛したい
「今さら妻気取りで説教するのはやめてくれるかな。後継ぎもいるんだから、もう俺も義務は果たしただろ。今後も政治に口は挟まないから、君も僕に干渉しないでくれ。」
ジグムントはそう吐き捨てると、
ヘリヤ女王を一瞥することなく
部屋を出ていった。
あとに残されたヘリヤ女王は
しばらく呆然と立ち尽くしていた。
どれくらいそこにいただろうか。
「このままではいけない」と
ヘリヤ女王は思い直す。
ジグムントの浮気相手には
やはり何らかの制裁を加えないといけないし、
子どもたちとの絆も取り戻さなければ。
そう決意したヘリヤ女王は
浮気相手の特定のためにすぐさま密偵を放つ。
相手はどこぞの貴婦人か。
一体どう懲らしめてやろうかと
思いを巡らせていたが、
密偵の報告は
ヘリヤ女王の予想を全く裏切るものだった。
ジグムントの相手は、
アスラウグ王立バレエ団のプリマバレリーナ、
フリッグだった。
フリッグは今をときめく人気バレリーナで
数々の大舞台で大役を務めてきた。
もちろんヘリヤ女王も
彼女の舞台を何度も観たことがある。
(あのフリッグとジグムントが・・・)
「ジグムント様は以前からフリッグの熱心なパトロンで、ジグムント様から関係を迫った様です。そしてこれは大変申し上げにくいのですが・・・」
ジグムントはそう吐き捨てると、
ヘリヤ女王を一瞥することなく
部屋を出ていった。
あとに残されたヘリヤ女王は
しばらく呆然と立ち尽くしていた。
どれくらいそこにいただろうか。
「このままではいけない」と
ヘリヤ女王は思い直す。
ジグムントの浮気相手には
やはり何らかの制裁を加えないといけないし、
子どもたちとの絆も取り戻さなければ。
そう決意したヘリヤ女王は
浮気相手の特定のためにすぐさま密偵を放つ。
相手はどこぞの貴婦人か。
一体どう懲らしめてやろうかと
思いを巡らせていたが、
密偵の報告は
ヘリヤ女王の予想を全く裏切るものだった。
ジグムントの相手は、
アスラウグ王立バレエ団のプリマバレリーナ、
フリッグだった。
フリッグは今をときめく人気バレリーナで
数々の大舞台で大役を務めてきた。
もちろんヘリヤ女王も
彼女の舞台を何度も観たことがある。
(あのフリッグとジグムントが・・・)
「ジグムント様は以前からフリッグの熱心なパトロンで、ジグムント様から関係を迫った様です。そしてこれは大変申し上げにくいのですが・・・」