心優しい国王は王妃を堂々と愛したい
そしてフリッグとお腹の子はどうなったのかというと。

女王の宣言通り、
フリッグはその日付でバレエ団を退団した。
人気バレリーナの突然の引退に
人々はあれこれと噂をしたが
徹底的な箝口令を敷いたため、
妊娠の事実は闇に葬られた。

フリッグは離宮に幽閉され、
ひっそりと女の子を産む。
その子はフレイアと名付けられた。
スポットライトを浴びて生きてきたフリッグは
幽閉生活に心を病み、
酒に溺れて次第に衰弱していった。
フレイアはどこか外国に
養子に出すつもりだったが、
ウルズが政略結婚に使えなくなったため、
もしもの時のために
手許に置いておくことにした。

このときのヘリヤ女王の判断が後に、
フレイアとオーディンの結婚へと
繋がっていくのである。



(ここまで長かったけど、もう少しね。)
ヘリヤ女王はアスフォデルスの蜜酒を飲み干すと
明かりを消して、
ベッドに横になった。
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