心優しい国王は王妃を堂々と愛したい
一方の男性が何のためらいもなく牢の鍵を開け、
部屋の中に入ってくる。
「私がいない間に辛い思いをさせたね、すまない。」
そう言って、
涙に濡れたフレイアを優しく抱きしめた。
「オーディン様っ・・・!」
フレイアもオーディンを抱きしめ返す。
ついさっきまで絶望のドン底にいたというのに、
この温かな胸の中にいると
不思議と心が満たされていく。
(あぁ、私。自分でも気づかない内に、陛下をお慕いしていたんだわ。)
「状況は何も変わりませんぞ。」
ヴォルヴァのイライラした唸り声が、
フレイアが今しがた自覚したばかりの
オーディンへの甘い気持ちを吹き飛ばし、
現実へと引き戻す。
「疑いは何一つ晴れていないのだ。明日の高等法院で全てがはっきりする!」
「裁決が下ってない以上、王妃は罪人ではない。王妃がどこで過ごすか、それを決める権限は宰相ではなく国王にある。」
周囲がゾッとする様な冷たい声色でそう言い放つと、
オーディンはフレイアを軽々と抱き上げて
地下牢を後にした。
一方、
残されたヴォルヴァは
ギリギリと歯ぎしりをする。
「チッ、なぜ国王が帰って来た。ヤツがいない間に全てを片付けるつもりだったのに。」
部屋の中に入ってくる。
「私がいない間に辛い思いをさせたね、すまない。」
そう言って、
涙に濡れたフレイアを優しく抱きしめた。
「オーディン様っ・・・!」
フレイアもオーディンを抱きしめ返す。
ついさっきまで絶望のドン底にいたというのに、
この温かな胸の中にいると
不思議と心が満たされていく。
(あぁ、私。自分でも気づかない内に、陛下をお慕いしていたんだわ。)
「状況は何も変わりませんぞ。」
ヴォルヴァのイライラした唸り声が、
フレイアが今しがた自覚したばかりの
オーディンへの甘い気持ちを吹き飛ばし、
現実へと引き戻す。
「疑いは何一つ晴れていないのだ。明日の高等法院で全てがはっきりする!」
「裁決が下ってない以上、王妃は罪人ではない。王妃がどこで過ごすか、それを決める権限は宰相ではなく国王にある。」
周囲がゾッとする様な冷たい声色でそう言い放つと、
オーディンはフレイアを軽々と抱き上げて
地下牢を後にした。
一方、
残されたヴォルヴァは
ギリギリと歯ぎしりをする。
「チッ、なぜ国王が帰って来た。ヤツがいない間に全てを片付けるつもりだったのに。」