心優しい国王は王妃を堂々と愛したい
フレイアを抱き上げたオーディンは
腕の中で恥ずかしがるフレイアに微笑みかけながら
内心焦っていた。
(ヴォルヴァのやつ、一気にフレイアを消しに来たな。まさか高等法院で裁判にかけるとは。)
高等法院はアスラウグにおける最高裁判所で
ここでの判決は国王と言えど覆せない。
国家反逆罪など大罪が審理され、
年に一度開廷されるかどうかという具合に
滅多なことでは使われることはない。
ヴォルヴァのことだ。
やつはおそらく裁判官を買収している。
裁判長まで買収されていないことを願うしかない。
廊下ですれ違う者たちの視線を気にすることなく、
オーディンは自室へとフレイアを連れて行った。
部屋に入るなり、
予め待機させていた侍女に命じて
フレイアを湯浴みさせる。
そして
すっかり綺麗になったフレイアに
ソファに座るよう促すのだった。
「オーディン様、助けていただいてありがとうございました。」
ソファに座ってひと息つくと、
フレイアは深々と頭を下げる。
「フレイアが謝ることじゃないよ。むしろ、遅くなってすまなかった。ところで私は、なぜこんなことになったのか、全く分かっていなくてね。ヴォルヴァが何やら喚いていたが、一体何があったんだい?」
オーディンに促されて、
フレイアは事のあらましを切々と語り始めた。
腕の中で恥ずかしがるフレイアに微笑みかけながら
内心焦っていた。
(ヴォルヴァのやつ、一気にフレイアを消しに来たな。まさか高等法院で裁判にかけるとは。)
高等法院はアスラウグにおける最高裁判所で
ここでの判決は国王と言えど覆せない。
国家反逆罪など大罪が審理され、
年に一度開廷されるかどうかという具合に
滅多なことでは使われることはない。
ヴォルヴァのことだ。
やつはおそらく裁判官を買収している。
裁判長まで買収されていないことを願うしかない。
廊下ですれ違う者たちの視線を気にすることなく、
オーディンは自室へとフレイアを連れて行った。
部屋に入るなり、
予め待機させていた侍女に命じて
フレイアを湯浴みさせる。
そして
すっかり綺麗になったフレイアに
ソファに座るよう促すのだった。
「オーディン様、助けていただいてありがとうございました。」
ソファに座ってひと息つくと、
フレイアは深々と頭を下げる。
「フレイアが謝ることじゃないよ。むしろ、遅くなってすまなかった。ところで私は、なぜこんなことになったのか、全く分かっていなくてね。ヴォルヴァが何やら喚いていたが、一体何があったんだい?」
オーディンに促されて、
フレイアは事のあらましを切々と語り始めた。