私のこと愛しすぎだよ、結多くん。




知らねーって。
マジそれどころじゃないんだよ。

今日から大人しく眠れるか分かんない。


ヤラシー妄想せず眠れますか?って聞かれたら、素直にうなずける自信ありませんけども俺。


そんな弟の何かを試すみたく、姉ちゃんは深呼吸してから、俺が大好きな単語をつぶやいた。



「───このみちゃん」


「っ…!!!俺の天ッッ使ッッ!!!!」


「………。おおおお母さん今日お赤飯にして!!ユイが恋した……!!初恋じゃない!?ちょっとお母さん来てよーーー!!」



落としたハンカチを拾った、とか。
同じ本を取ろうとして「あっ…」とか。

昔からの幼なじみとか、お互いに一目惚れとか。


ないよ、そんなの。
ありませんよそんなもの。

これが現実。
至って実際はこんなものだ。


そんなことで?とか言ってくるクズども多数かもしれねえけど、そんな奴らは畳んで折って折って鶴にでもしてしまえや。



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