私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
「……とりま土下座してくんないヤマト。宇宙戦艦で飛ばされたくなかったら土下座だ」
「…………」
これが私のクラスの朝という感じはするけれど、見守っていたクラスメイトたちは口をポカンと開けることしか。
だって、だって……。
どんなに厳しい先生をも味方にしてしまう愛嬌のかたまり、人気者な水篠 結多くんが。
こんな隅っこクラブ代表みたいな、町人アルファベットにも振り当てられない私を中心にした話題で叫び散らかしているんだから。
「ごめんね、このみちゃん。それで?どうぞ続けて。あっ、ほら、イヤホンするから俺」
「…………」
むり、です。
なんとなく感じる危機がある。
私……、結多くんに狙われてるんじゃないかって。
いつか、いつか。
頭からつま先までをすっぽり丸飲みされて、食べられちゃうんじゃないかって───。