私のこと愛しすぎだよ、結多くん。




そこが荒井の強くて良いところだとも、俺は思う。



「水篠くんは朝比奈さんのこと……、すっ、好き…なんです…か?」



うん、だいすき。

でもその言葉をいちばん最初に伝えたいのは荒井じゃない。


俺におぶられて寝ている女の子に伝えたいわけだから、俺は違う方法を選んだ。



「あんね委員長。実は俺って、このみちゃんに握られたい場所いっぱいあんだよね」


「……っ!?!?」



おおっと、なに想像したんだよムッツリ。

顔赤くしちゃってどーした。
まあ、その通りだったりもしますけど。



「でも、ぶっちゃけ今いちばん握られたい場所はさ。───弱味だったりするよ」


「………、」



心当たりがあったから言葉を飲み込んだんだろ?

お前がこのみちゃんにどんな言葉を送ったかは、直接的には知らないけど。


このみちゃんが泣きそうな声で教えてくれたとき、この目の前の女にはぼっち倉田と同じことしてやろうかと思った。



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