私のこと愛しすぎだよ、結多くん。




『土日は家族とゆっくりするだろうから月水金の週3日、10分でもいいからかけていい?
だいたい18時以降はみんな動く時間だから、16時頃かけるね。…じゃあ、また明後日』



なにひとつ答えられなかった私に気をつかってくれたのか、それひっくるめて月曜日に持っていこうとしたのか。

結多くんは優しすぎる声で今日のところは締めくくった。


そして私が電話を切る側にしてくれたこと。


私だって聞きたいよ結多くん。
あなたはどうしてそんなに優しいの?って。



『俺も俺も!あの35歳で免許返納したネタのコンビが優勝すると思ってた!
まさかだったよなあ~、やっぱ一般人と芸人の笑いの感覚ってちげーのかな?』


「あ…、私もそれ、しょっちゅう思うの」


『えー、俺たちの感覚めちゃ一緒ってことじゃん。うれしすぎてこの会話おかずに米食ってるからね、俺いま』


「ふふっ、ちょっと遅めのお昼ごはん?それとも早めの夕飯?」


『んーん。16時のおやつです』



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