私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
それから本当に月曜日、水曜日、金曜日。
固定電話が鳴る16時は「結多くんだ」という感覚が染み付いて。
お母さんがいるときは「そろそろ電話の時間じゃない?」と、知らせてくれる。
たまにお母さんとも楽しい会話を繰り広げてしまう結多くんだから、電話料金を気にする人はうちには誰もいなかった。
「ごめんね結多くん。明後日、なんだけど…」
『はいはい?』
「ええっとね、お友達と遊びにいく用事があって……、電話はできないかもしれないの」
たぶん、オーバーリアクションをしてくれて。
それでも了承してくれて、そのぶん次の電話は少し長く話したいってワガママを付け足す。
私が想像している結多くんの反応を頭に浮かべながら伝えると、受話器の先、結多くんは静かに聞いてきた。
『それって、桐山さんと?』
「う、うん」