私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
「すげーでしょ、この全力すぎる角度。この足の伸び具合ですよ、お願いすごいと言って」
「…ふふ、すごい」
結多くんの存在は魔法だ。
言葉も、笑顔も、仕草も、ぜんぶぜんぶが魔法。
この先もそんな魔法で勇気づけられて、元気づけられる子たちがたくさんいるんだろう。
うれしいけれど……、やっぱり嫌だな。
「…でもね、そろそろ変えようかなって思ってんのアイコン」
「そうなの…?」
「うん。んー…、蟻とかどう?俺ね、可愛くてめちゃくちゃ好きなんだよね、蟻」
ブリッジの次は蟻。
今日も公園で戯れていたもんね、と小さく心のなかで返す。
「……、」
「あー、無意識。すっげえ無意識ねこれ」
髪の毛…、触られてる。
三つ編みで遊ぶように、くるくる触って、筆のような毛先を私の頬に当ててきたりして。
「…くすぐったいよ、結多くん」
自分の髪の毛なのに変な感じ。
こうして触ってくるってことは、いつもと違う私のヘアスタイルに気づいてくれてるってこと。
……一瞬、ことばを期待してしまった。