私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
今のうち、今のうち、と、坂口くんに目線で伝える。
そそくさと立ち上がって逃げるように教室の外へ、坂口くんの案内は完了。
「そうだこのみちゃん。図書室にさ、超能力関係の本とかってない?」
「ちょ、超能力…?」
「そ。切実に時間を戻せるようになりてえなって」
「………さ、探してみるね」
「ありがとう」
そんな爽やかな笑顔で言われると…。
超能力だったりの本はあまり見たことがないけれど、まさか自分が取得する目的だとは。
やっぱり想像の斜め上をいくひとだ、結多くんは。
ただ図書委員として任されてしまったので、一応は探してみます。
「結多、悪いが道場までこれ運んでくれ」
「おっいティーチャー!!!あれは俺たちの秘密って言っただろーがっ!!」
「あ、そうだったか悪い。それとハンコな、動物のやつなくしたから今日からサインでいいか」
「だっからティーチャー…!?あたま弱ぇの!?理解力ミジンコかよ!?あっ、また明日ねこのみちゃん!」