私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
「もちろん結多が悪いわけじゃなくて、その先輩のプライドがありえないくらい高かったってだけ。それをあいつは一瞬にしてへし折ったってだけ」
「まあ、結多はある意味で振り回された?みたいな感じじゃんね、それ」
「そうそう。だからネタとして楽しんでる連中が多かったし」
なんか……違うよって、思った。
それをネタにするのは違う。
笑い者にするのは、ちがう。
結多くんのことだから周りからどんなに責められても結多くん節で乗りきってしまったんだろう。
でも、無理やり付き合わされて、結果として好きになれなかっただけで面白がられて全校生徒からネタ扱い。
結多くんだからみんな笑顔になってるだけで、普通に考えたら苦しいよ……そんなの。
「にしても学校のアイドルに興味ナシかー」
「あいつの趣味、たぶんちょっと偏ってんのよ。なんだろ、弱者が可愛く見えちゃうタイプってか」
「あー、わかる気がするかも。同情心の正当化、みたいな」
「すご。めちゃくちゃしっくりきた」