私のこと愛しすぎだよ、結多くん。




「…結多くんだもん」



クラスメイトに冷たくする結多くんは、逆に見たくない。

誰に対しても分け隔てない優しさを与える結多くんみたいになりたくて、私はそんな結多くんが好きなのだから。



「やっべえ!!弁当忘れた!!!」


「えっ、まじ?やったじゃん結多!」


「は?先週新作スニーカー買ったばっかでこちら所持金300円なんですけど???残り15日を300円で乗りきろうとしてる俺に喧嘩売ってんの??」


「はははっ!!300円とか遠足のおやつかよ!!」



つい、お弁当を開けようとした手がピタッと止まる。

私はお小遣いもまだ残っているから、私のお弁当でよければ渡すことができる。


今日はお母さんが作ってくれたものだけれど、あの日みたいに結多くんの喜ぶ顔が目にも浮かんだ。



「あの…、結多くん、これ……よかったら」



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