私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
「あっ、ぼくのっ、ぼくのちくわ…!」
するとおかずひとつ、私のほうへ転がってくる。
穂乃花ちゃんと向かい合わせ、隣の席では坂口くんも同じようにしてお友達とお弁当を広げていた。
「たぶん食べないほうがいいかも、だけど…」
「あっ、ありがとうございます朝比奈さん…」
きゅうりが詰められているお弁当の定番。
足元に転がってきたひとつを拾って、坂口くんに渡す。
「いって…!は…?なんで俺叩かれたの?」
「おいヤマト、ぼくのちくわってなんだよ下ネタにしか聞こえなくね?俺だけ?え、俺だけ???楽しいお食事中にあの卓球部はなに言っちゃってんの?ナニっちゃってんの?
あれなの?ピンポン玉ってそーいうこと?自分のピンポン玉をいつもピンポンしちゃってんのかよ待ってそれやばくねえ??」
「……やめとけ結多。完全に女子たちドン引きしてる」
───と、聞こえる爆発音は少し離れた席から。