私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
そんな賑やかな音が隣じゃない場所から聞こえるだけで、結多くんとの距離がずっとずっと遠くなっちゃったみたい。
私も超能力とか使えるようになりたいな…。
「このみちゃん、今日ってバイト?」
放課後、教室を出ようとしたときだった。
ちょうど何かの用から戻ってきた結多くんと鉢合わせ。
「う、うん…」
「そっか。頑張って、また明日ね」
「……また…明日…」
お話することができて喜ぶ気持ちよりも、思っていたよりあっさり終わってしまった会話に落ち込んだほうが大きかった。
たまたますれ違ったから声かけてくれただけだったのかな……。
私がアルバイトを始めたあたりからメッセージや電話も減ったもんね。
私だけじゃない。
私だけじゃ、なかった。
盲目になってしまっていた。
私はずっとずっと、浮かれていたんだ。