私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
「続けることが大事だってこと、それが何よりすごいってこと。
なにも分かってなかったんだ、去年の俺は。だから俺のそれは、ダメな失敗」
それを自覚したから、谷さんはまたコンビニを選んだのかな…。
タバコがない場所を選んだ時点で俺もまだ逃げてたのかもだけど───と、谷さんは軽く笑った。
そんなことないですと、意味を込めて私は首を横に振る。
「バイトだけじゃなくて私生活でも、すげえ最低なゴミクズ野郎だったから俺。本当に大切にしなきゃいけないものが見えてなくて……、いろんな人を傷つけまくった」
「それは……良い失敗、だったんですか?」
「まったく。それだけは馬鹿みたいな失敗ってよりも、絶対したらダメだったこと」
それでも今、続けることができている。
高校2年生の秋頃からこのコンビニでアルバイトしていると言っていたから、1年近くは続けている。