私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
「ありがとう…ございます」
「じゃー、朝比奈さん廃棄チェック行く?それともレジ?」
「…レジ、やりたいです」
「え、廃棄のがラクじゃね」
「……なにかあったら、谷さんがいるので」
「…そーいうことか」
はにかんで、うなずいて、谷さんはレジカウンターを出た。
結多くんみたいになれてるのかな…という質問は、私にとっては無意味なものなのかもしれない。
だって、なれないっていう答えだけは分かっているから。
なれないけど、でも、私なりに近づくことはできるよ───それだけで十分なんだと思う。
「お疲れさまでした」
「お疲れさま~。朝比奈さん、雨降ってるけど大丈夫?」
「えっ、……あ、本当だ…」
入った頃は降っていなかったというのに、出る頃、暗く変わった空から落ちる雨粒が見えた。
外を歩く人たちもみんな傘を差しているから、一時的なものではないのだろう。