私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
「谷くん途中まで入れてあげたらー?ほら、でっかいの買ったって自慢して置き傘にしてなかった?」
23時まで勤務予定のマネージャーさんは、とても気さくなひと。
私たちと同い年ほどの息子がいると言っていたからか、すごくフレンドリーだった。
「いやっ、それは悪いので…!ここでビニール傘…、買います」
「え~、それ勿体ないよ~。商売してる側が言うセリフじゃないかもだけど」
朝はすごく晴れていたから、折り畳み傘を持ってきていなかった。
こういうときのために折り畳み傘はあるん
じゃないの、このみ。
常備だ、明日から。
どんな天気だとしてもスクールバッグに入れるべき。
「俺は別にいーっすよ。朝比奈さんさえ問題なければ」
「え…、でも…」
「良かったねえ!でっかい傘はそのためにあるってことよ!よろしくねー、谷くん」