私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
またここでも谷さんにお世話されちゃってるな…。
高校1年生のバイト生は私だけみたいで、マネージャーさんは娘のように扱ってくれる。
そして谷さんはきっと、妹のような感じ。
「じゃあ…よろしくお願いします」
「───あ、いや、やっぱダメだわ」
「えっ」
開いた自動ドアの前、谷さんは立ち止まる。
私が働くコンビニは裏口を出ると夜はとくに暗ったるい路地裏に出てしまうため、お客様と同じ出入口からの移動だった。
「俺たぶん、完全に刺される」
「…へ?」
「ほら、朝比奈さんの彼氏きてるから」
「か、かれし……?」
つられたように見つめてみれば。
傘を差して立っている男の子が、端のほうにひとり。
そう、彼は前にイートインスペースに2時間近くも滞在していたクラスメイト。